ハワイ料理には、デンファレの花がよく似合う。
お皿にそっと添えられていた、紫の花。
花言葉は
「お似合いの二人」。
そしてハワイでは、歓迎と感謝の象徴。
有名なピンク色のホテル、
The Royal Hawaiian
その中のレストラン
Surf Lanaiで提供される
ピンクのパンケーキにも、
エッグベネディクトにも、
フレンチトーストにも、
アサイボウルにも。


小さなデンファレが…ちょこんと。
華やかで、少し誇らしくて、
どこか凛としている。
朝8時前。
まだ少し眠そうな
Waikiki
今日は暴風雨警報。
「本当に行くの?」
って、何を言っているの。
大親友夫婦と4人でドライブ。
嵐くらいで止まらない。
東へ向かうと、
Diamond Head
雲に包まれた横顔。
晴れたハワイに憧れてきたけれど、
こんな色の海も、嫌いじゃない。
Hanauma Bayを過ぎるころ、
岩肌と激しい波が
海岸沿いの道に迫る。
車内は笑い声。
外は、荒れる海。
Halona Blowhole
強い波が、空へ吹き上がる。
自然って、
思い通りにならない。
…でも、
夫婦もだいたい、そう。
雨が弱くなった瞬間、
「今だね」
Waimanalo Beach
ほんの数分だけ歩く。
手はつながない。
私は少し前を歩く。
でも、ちゃんとそばにいるのはわかってる。
そして
Lanikai Beachへ向かう細い小道。

足元に飛ばされた
白いプリメリアを手に取った。
雨に濡れながらも、
ちゃんと甘い香りがした。

「南国だね」
4人で顔を寄せて、
その香りを確かめる。
嵐の中なのに、
ちゃんとハワイの匂いがした。

砂浜に出て、
その花をそっと置く。
ここにあるのが、いちばん似合うから。
海沿いをKaneoheへ。
Kualoa Regional Park
「佐渡にいるみたい」
「冬の日本海だね」
ハワイでそんな会話をする私たち。
少しおかしくて、少し誇らしい。
Haleiwa Rainbow Bridgeを渡って
小さな町、
Haleiwa
Matsumoto Shave Iceで甘い休憩のはずが、
寒いので、今日は…パス。
さらに西へ走る。
Sunset Beach
遊泳禁止の立て看板。
荒れた波。
行きに見たときは、
ただの注意書きだったのに。
帰り道、
その看板に
紫のデンファレのレイが
そっと掛けられていた。
誰が置いたのかは、わからない。
荒れる海に向けた祈りか、
誰かの記憶か。
嵐の日のノースショアは、
静かに、優しかった。
すっかり暗くなって、
Kamehameha Highwayを南へ。
ホノルルまで、あと1時間。
嵐の一日。
青空はなかったけれど、
隣には、
長い時間を一緒に歩いてきた親友夫婦。
そして、
40年共にした人。
それだけで、十分。
晴れたハワイもいいけれど、
少し荒れた日も、
私たちにはちょうどいい。
ラニカイの小道で手に取った
あのプリメリア。
嵐の中でも、ちゃんと甘い香りがした。



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