1990年夏
ホームステイの引率教員として
アメリカに派遣されることになった。
17名の生徒を連れてのホームステイ
うまくいくか心配で…
英語力を磨くために
駅前留学をして“アドベンチャー”に備えた。
滞在先はロサンゼルス郊外コルトン
ティーチャーコーディネイター
ナンシーの家に泊まり、
アメリカ人のリアルな日常を
3週間体験することになる。
陽気で穏やかな性格のナンシー
すぐに打ち解けて
毎晩遅くまで、
次の日のプランから下ネタまで語りつくした。
ほぼ毎日ファーストフード店に行き、
自宅で食事をしたのは3日だけ。
これまで生きて来て、
あんなにコーラを飲んだ3週間は他にない。
これが憧れた California style なのか?
そんなナンシーの旦那さんアルが、
アメ車のプラモデルを買い込んでいる自分を見て
親切にもこんなことを提案してくれた。
「そんなにピックアップトラックが好きならエアーブラシで描いてやるよ」
えっ!まじ!!
当時、池袋PARCOの壁画などで
永井博のエアーブラシ作品を見てきていたので
よろこんでプラモデルの箱を手渡した。
すると、アルは当然のごとく、箱を破り、
イーゼルに挟んだのだ。
プラモデルコレクターならば、
これがどういうことだかおわかりになるだろう。
この3週間は、
生徒たちにとって、
素晴らしい経験だったのは言うまでもないが、
自分にはそれ以上の体験だった。
We go, memory stay.
You gave me another world.
さよならパーティーの結びで、
そう挨拶しようとしたら…涙があふれてきた。



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