東北大 2021年 前期の問題を考えてみます。
次の文章を読み,下線部(A),(B)を英語に訳しなさい。
まず最初に“志(こころざし)”ということについて考えてみよう。
現代は志というものの価値が下落してしまった時代だ。声を大にして志を述べる人は少ないし,だいいち志という言葉じたいがオールドファッションになってしまったようなところがある。三十歳を過ぎてからのことは,十代の頃には考えてもみないのがふつうだろう。いや,二十代の後半になっても,三十代のことを考える人はほとんどいなくなってしまった。ところが,これは現代の若者の重大な盲点なのだ。(A)というのも,三十代以後のことを考えないということは,自分が何をしたいと思っているのか,自分のライフワークは何か,をはっきりさせないで宙ぶらりんの状態に自分の身を置くことだからだ。そういうモラトリアム(猶予期間)状態に身をゆだねていれば,知らない間にベルトコンベアによって,きまりきった人生のなかに運びこまれてしまうのは目に見えている。苦くみじめな青春の結末をむかえたくなかったら,やはり,志ということについて考えたほうがいいだろう。
ふつう“志学“というと十五歳をいう。孔子の『論語』からでたことばで,“志をたてる年齢“という意味につかわれている。この年齢は昔でいえば元服の時期でもあって,一人前に成人するときだった。(B)現代では二十歳が成人だけど,知的成熟からいえば,自我がつくられ,思考の基礎にある母語も確立される十五歳くらいを,ぼくらは自分の知的スタートの時期としたいものだ。
(花村太郎『知的トレーニングの技術[完全独習版]』(2015年)より一部改変)
東北大学の英作文の考え方の練習です。
★ポイント
エッセイの一部を抜粋して英作させる問題は、
日本語に忠実に英作しようとせず、
作者の言いたいことをつかみやすいので、
自分の自信のある英語表現に言い換えて
確実に得点をGETする! ということです。
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