スティーブ・ジョブズ──アップルの共同創業者である彼は、コンピュータ業界に革命を起こそうとしていた。
1980年代初め、アップルは急成長していたが、ジョブズはさらなる飛躍のために、強力なマーケティングの才能を持つ人物を必要としていた。
そこで彼は、ペプシ社の社長ジョン・スカリーをアップルに招こうと説得を試みた。
最初、スカリーは安定した地位を捨てる気などなかった。
だが、ある日ジョブズは彼にこう問いかけた。
「このまま一生、砂糖水を売り続けたいのか? それとも僕と一緒に世界を変えたいのか?」
その言葉はスカリーの心を激しく揺さぶった。
ついに彼はジョブズの情熱に心を動かされ、1983年、アップルの新CEOとして迎え入れられることになる。
──しかし数年後、二人の関係に亀裂が走る。
経営方針をめぐって対立が深まり、ついに取締役会はスカリーの側についた。
ジョブズは、自ら創り上げた会社から追い出されてしまったのだ。
皮肉なことに、かつてスカリーに「夢」を与えた男が、今度はそのスカリーによって会社を去ることになった。
だがその後、ジョブズは再びアップルに戻り、iPhoneをはじめとする革新的な製品で、ほんとうに世界を変えてしまう。
情熱は、ときに衝突や失敗を生む。
それでも挑戦をやめず、学び続ける者こそが──本当に世界を変えることができるのだ。
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